僕は大学を卒業したあと、すぐにリサイタルを何回かしました。
他にも、いろいろなところで歌いましたが、やはりリサイタルが大きかったですね。
大きかったというのは、自分の認識の甘さが大きかったということです。
通常音大や音大を卒業したあとは、「活躍すればするほどすごい」という価値観を音大生の皆様は持っており、一般的です。
これは音楽家が大体持っている価値観かもしれませんね。
そして、僕もそう思っていました。
音楽家の中で評価されたくて、通常卒業直後に複数のリサイタルなどは不可能なのですが、
演奏だけではなくマーケティングや経理なども頑張っていました。
そして、あのまま行けば今頃はもっと売れて、さらに良くなっていると思います。
しかし、それは音楽業界や現代資本主義社会、西洋化社会の中の価値観から見て、一面的に良くなっているというだけです。
僕の目標は世界一になることでした。
しかし、リサイタルやいろいろなコンサート出演などで時間を削ってしまっていては、
世界一になるのに時間がかかると感じ、一気に全て辞めました。
オペラの発声をすることは声にとって害になります。
僕のプロフィールにも書きましたが、本番に出ないで声にプログラミングを行う機関が必要です。
世の中には、いろいろな価値観や、その人それぞれの目標があって、音大を出てすぐにたくさんの演奏会に出るのが嬉しい人もいますが、
僕は、それよりも、どうしても世界一になりたかったのです。
犠牲にしてきたものはたくさんありますし、リサイタルをするよりも何千倍も大変な毎日でしたが、
僕の選択は間違っていなかったと思います。
ポリーニやホロヴィッツも、諸説ありますが、トレーニングのために演奏活動を休止したと思われる時期があります。
芸術は、そんな簡単にすぐに上手くなれるものではないので(もちろん効率の良い方法はありますが)、必要な選択だったと思います。
僕は、演奏会をたくさんして、褒められて、とってもハッピーになれる社会を、離れたところから見ています。
世の中には本当に上手い人なんて、本当に数人しかいないと思いますが、やはりそれは上手くなるためには「痛み」を受け入れなくてはいけないという「強さ」がとても大事だと思い、
ホロヴィッツやポリーニが大変素晴らしい演奏や、音色を奏でられるのも、巧さのためなら犠牲を厭わない英断ができる「強さ」があったからだと思います。
僕は生まれてきたからには、人類最高の歌手になって、知能や精神や、見た目も全て最高にしたいと思っています。
そして、戦争や差別をなくし、平和な地球を実現させて、平和な地球という作品を作った最高のアーティストになります。
今日は、以上です。
コメントを残す