身体の状態と音楽のパフォーマンスの関係について①

芸術というくくりで音楽を見る人からすると、歌や楽器などのパフォーマンスは、身体的な能力がそこまで大事ではなく、

どちらかというと頭の良さやセンス、発想力が重要だと思う方もいるかもしれません。

僕も、音楽を始める前はそう思っていましたが、

技術が難しくなればなるほど、身体の機能が非常に大事になってきます。

特に、音楽の演奏の中でも、超絶技巧的なものになればなるほど、脳に体が追いついて行きにくくなります。

歌でいうとハイツェーくらいまで張り上げて出す一般的な発生をするのであれば、あまり身体の状態は関係ありません。(関係ありますが、「できなく」はなりません)

しかし、僕のように思い声でそれ以上の音域をちゃんと出そうとすると、

声帯の場所がとても大事になってきます。

声帯というのは喉頭の中にあり、喉頭は咽頭懸垂筋により吊られていますので、

その懸垂機構の一部の筋肉が張ったり疲労していたり、機能が落ちていると、右か左か、上か下か、前か後ろかに喉頭が寄ってしまい、

その寄らせている筋肉はもちろん発声に関する筋肉の咽頭懸垂筋なので、完璧な発生ができず、パフォーマンスを最大に発揮できません。

通常で使用されないような音域を安定して出すには、そのようなことが起こるとかなり難しくなってきます。

高温のための筋肉の機能が落ちていたら、高音が出にくくなるのは当然ですし、左右に傾いている時点で高音以外でもかなり動かしにくくもなります。

なので、かなり慣れてきて、筋肉の異常があってもそれをカバーして出せるような状態まで持っていけば話は別ですが、

そうでない場合は練習して神経に刺激を与えることすら不可能になってしまうので、

難しいテクニックになればなるほど、より完璧な肉体の状態が必要となります。

声は臓器のようなもので、肉体が完全に健康でなくては声の健康もあり得ないので、

まずその「畑」である肉体で完璧なコンディションを実現することが、難しい技術習得にはとても重要なのです。

これは歌だけでなく、あらゆる楽器、あらゆる勉強にも適用されるでしょう。

では、続きはまた今度。

ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音大卒の声楽家。様々な芸能技法を武田梵声氏に師事しており、音域は8オクターブ(E-1〜E7)に及び、コロラトゥーラなども得意とする。日本とイギリスのハーフで、スペインやベネズエラの血も入っている。人類史上最高の歌手を目指して日々ストイックなトレーニングを重ねている。