あけましておめでとうございます!(音程について)

みなさん、こんばんは!

ついに年が明けてしまいましたね新年、おめでとうございます。今年も力強く、音楽活動をしていければと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

さて、ただいま文章を書いているのは、Enrichにおいてピアノと作曲を担当しています、渡邊拓也です。久しぶりにブログを書いてみようと思って、パソコンに向かっています。先ほど、格付けチェックが始まりました(笑)

何について書きましょうか今日は、「音程の流動性について」にしましょう。

私たちが音楽をする上で、打楽器などを除けば、長調、短調の世界にいることが多いです。もちろん、調性を外れた音楽もありますが、その話はまた今度……。

例えばハ長調では、「ドレミファソラシ」の7種類の音を基本に音楽をしていますが、それぞれの音の種類ごとに、言うならば「高いド」「低いド」「紙一枚分高いド」など、その瞬間瞬間によって、いろんな種類の音程が生まれていきます。

例えばピアノは現在、1オクターヴを12の半音で均等に分割した「平均律」という音律で調律されています。これは、ルネサンス期から中世、バロック期、古典派、ロマン派、近現代と時代が移り変わり、曲も複雑化していくに伴って変遷した結果、定まってきたものです。調律師の方が専門に修行を重ね、ピアノを素晴らしく調整して下さるおかげで、僕たちピアノ弾きは、自由に音楽する基盤を得ます。

「基盤を得ます」とはどういうことかと言いますと、「それぞれの瞬間によってある程度音程を自由に動かすことが可能になる、その基礎を作って下さる」という意味でもあります。

 

先ほど、時代によって鍵盤楽器の調律は変化し、古典派以降、平均律に落ち着いてきたことを述べました。

これはルネサンス・バロック期では、純正な完全5度を中心に数学者のピタゴラスが開発した音律である「ピタゴラス音律」や、長3度の美しさを中心に生かした音律「中全音律」を鍵盤楽器に用いていました。特にルネサンス期までは、現代のような激しい転調がまだなかったので、響きの良い協会や宮殿内では、その調性内で一番美しく響く「中全音律」などの調律が、音楽に触れる者にとって快適な調律であったことは、今から想像しても頷けるでしょう。

しかし、古典派やロマン派以降の音楽になると、小節単位の激しい転調が行われるようになり、中全音律で調律してしまうと、主調から遠い調性に転調した時に不協和な和音がたくさん生まれるようになり、演奏の上で不具合が生まれてしまいます。

その結果、その調性の中で最高の協和を得られるわけではないが、どの調に転調しても良好な響きが保てる、平均律に調律が落ち着いたというわけです。

 

ということは、裏を返すと、平均律においては、「どの調に転調してもある程度の響きは保てるが、純正律に代表される、最高に清らかでピュアな音程は、そのままだと出せない」ということでもあります。それにもかかわらず、世の中のピアノ音楽は、純正な音程を想定して弾くと、あまりに美しさが跳ね上がる曲が多い!!

そこで僕はピアニストとして、なるべく調性的で美しい曲は、その音程も純正に取れる時は取るようにしています。意識的には、「音、物体という物理空間を超えてやる」感じです。ピアノ自体は大変によく響きの作れる楽器ですので、取れる音程の幅も、それなりに広く感じます。

例えばバッハの平均律のフーガを純正な音程を想定して演奏すると、信じられないくらい美しく感じます。ピアノで音を出す前に、楽譜を読んで脳内で完全に純正な音程で曲を鳴らしていると、本当に召されそうです(笑)

そのように、ショパンやラフマニノフの作品も純正な音程で弾くと、大変に迫力が増すか、より美しくなるか、そんな作品が多いのです。ですから、全ての音程を、というわけにはいきませんが、「ここぞ!」という場所においては、純正な音程を心がけるようにしております。

そんなことを考えるようになったのは、中学、高校と、部活でヴァイオリンやヴィオラで弦楽合奏をする経験があったからだと思います。弦楽合奏では、純正な音程が取れないとOUT!!!

今でもヴァイオリンは弾き続けていますが、やはり旋律を歌う、その上で揺れ動く音程には正直になるということには、ピアノを弾く上でも大事な注目ポイントになりました。音だけでなく、音楽が「生きている」感じを、これからも大事にしたい。

 

皆さま、今年も宜しくお願い致します!!

渡邊拓也

ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学、同大学大学院ヴィルトゥオーゾコースを修了。 音楽でしか表現出来ない世界に魅せられ、独学で作曲を勉強する。 大家の作品の演奏のみならず、「この世にかつてない、新しい音楽を作る」「自分の感じる世界を余すことなく表出する」という理念の元に、創作や独自の響きの研究も行っている。大学の専攻はピアノだが、ヴァイオリンも演奏する。