長2度音程、短2度音程についての印象、現代社会、音楽の中での使われ方①

こんにちは。渡邊拓也です。今日は、2つの音程間隔にまつわることを書き連ねたいと思います。

まず、題にあります「長2度音程」「短2度音程」とは何ぞやという話から始めましょう。

長2度音程とは、例えばピアノの鍵盤で言えば白鍵の隣り合ったドとレのような音程関係をいいます。その間には、ドのシャープ(またはレのフラット)の音である黒鍵が一つ挟まっていますので、ドとレ、すなわち長2度音程とは、半音2つ分の広さを持つ音程間隔だ、ということが言えます。

短2度音程とは、例えばミとファのような、間にどんな鍵盤もない、半音の音程間隔のことをいいます(ドとドのシャープの間の音程間隔は、確かに半音ひとつ分ですが、音名が同じ「ド」なので、この場合は「増一度音程」という呼び方をします)。十二平均律の世界では、異なる2音の音程間隔として最も狭いものが短2度音程で、その次に狭いのが長2度音程だと言えます。

この、一番狭い音程間隔の「短2度音程」は、その2音を同時に使えば大変きつい印象、何か、「間違った!」とか、「危ない!」とか、あとは純粋に耳が痛くなるような印象……そんな、人間の心理に「危機感」や、「警告」を与える役割を持っています。

これを利用して、例えば踏切の「カーンカーンカーンカーン……」というあの音は、場所や機種にもよると思いますが、ミとファの音、またはミ♯とファ♯(増一度音程で書けばファとファ♯)の音が、少し高めの音域で同時に鳴らされています。

音を聞いてどう感じるかは、音の種類や構成だけでなく、その音がどの音域で鳴らされたかもかなり重要な要素になってきます。確かに、あの音域よりも低い音であの重音(同時に鳴らされた複数の音)が響いても、危機感に欠けるのと少し間抜けに聞こえるのがいけませんし、逆にあれより高い音域で鳴っていても、可愛らしくなってしまうか、ただ耳障りなだけになってしまいます。

逆に、そんな短2度音程が心地よく使われている事例もあります。その代表格が、先述の「メジャーセブンス」の和音です。この和音は、ハ長調で言えば、Ⅰ度7、すなわちド、ミ、ソ、シの音で構成される和音で、ポップスやジャズ界で、今や主流の和音になっています。しかし、新しい時代にしかなかったかというとそうでもなくて、例えばバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の第1巻第1番のプレリュードの中にも、Ⅳ度7の和音として「ファ、ラ、ド、ミ」の和音が使われていて、現代風に言えば「メジャーセブンス」の和音が、既に数百年前から使われていた(使われ方が異なるだけで)ことがわかります。やはり、短2度音程、転回して長7度音程というのは、適切に使えば心地よい音なのだということが、昔から意識されていたのでしょう。

音楽は多くの要素でできていて、一生かけても解明しきれないんじゃないかと思わされるほど、深いものです。その中でも、僕が普段音楽をしていて感じることを、これからも書いていければと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学、同大学大学院ヴィルトゥオーゾコースを修了。 音楽でしか表現出来ない世界に魅せられ、独学で作曲を勉強する。 大家の作品の演奏のみならず、「この世にかつてない、新しい音楽を作る」「自分の感じる世界を余すことなく表出する」という理念の元に、創作や独自の響きの研究も行っている。大学の専攻はピアノだが、ヴァイオリンも演奏する。