曲解説『PINE』❷〜歌唱法について〜ジェンダーを交錯させる

今回は僕が出している新曲『PINE』の歌唱法についてです。まだお聴きでない方はこちら

まず、歌唱法に関してなのですが、女か男かわからない歌唱法を使っています。これは、声帯周辺の各筋肉や神経を開発していくと可能となるわけですが、今回の作品ではいわゆる孤独なおばさんの役を演じたかったので、このようにいたしました。孤独なおばさんというのは、自分の心の中にとても残っている存在であり、一つの美的感覚の中核として位置するものです。さて、そのようなテーマを使った音楽を演奏するのであれば、当然一般的な曲のようにカッコつけたりして歌唱するわけにはいかないのです。これは、僕なりの音楽という宇宙での現象に対する賛美の行為なのです。自分のために歌うのではなく、宇宙やこの世の現象のため、報われない魂への鎮魂として歌唱を行なっておりますので、その点も感じていただけると幸いです。

また、1つの究極の在り方として、古来の神では両性具有状態を持つものがおります。人間は、女性も男性も実は元々が女性の肉体から発生しており、男性にも膣などの原型となる部位が残存しております。そのため、そもそも全員が両性の性質を持っているわけですが、基本的には自分が認識している方の性別の能力を使って生きているので、それらは眠っています。しかし、訓練を適切に続けていくと、そもそも人間の根源の能力までが開かれていきますので、元々持っている異性の面も解き放たれていくと僕は考察しております。

そのため、ある程度訓練をしていれば、自分の中の性別は自在に転換でき、能力も自在に引き出せるようになっていきますので、今回やっとこのような声や姿を獲得し、歌唱およびMVを作ることができました。

そもそも音楽というのは、音だけでなんとかなっていると思っている方がいらっしゃいますが、そうではなく作曲時や歌唱時の肉体の状態で可能なことが大きく変わっていくものです。なので今回のPINEはかなりの瞑想状態に入って制作を行いましたし。一般的な、全く訓練を行なっていない人間だと、そもそもこの作りは無理です。

そのため、このタイプの曲は世界に1つだけであり、それも含めて多くの「少数派の方」のための居場所を作ることに大きな一歩を踏み出せたと考えております。今回の記載内容は、僕が武田梵声先生のもとで稽古を受けているため、可能となりました。大変素晴らしいお方で、心より尊敬しております。今後も誠心誠意鍛錬を重ねていきます。