概要
不生不滅が終わった瞬間から、急にガラリと雰囲気が変わりボサノバに移行します。「リラックスして好き」「ほんわかして落ち着く曲」と褒めていただいておりますが、自分にとってのボサノバはこの世の終わりを表現する曲であり日本でいうと古い曲が黄泉の入り口となっていたことの、外国版のような感じだと捉えていただければわかりやすいかもしれません。死後の世界を表現しており、元々の音楽とはそういう物です。
絶望の中にちょっとした希望がある、くらいが一番美しいと思います。僕は、世界が滅びた空間で手を繋いで砂浜を散歩することが一番理想の恋愛だと思っています。ですがそんな空間でもリラックスできるという次元のリラックス曲であれば最高ではあります。
この曲も、日立市がテーマとなっており、さざなみの代わりに、貝の打楽器が使われています。
日立市をテーマにした作品
このアルバムの曲は僕が生まれ育った茨城県日立市を題材にしておりますが、只々明るくキラキラした感じの曲として表現してしまう作曲は芸術家としてマジで終わってると思うので、そうはしません。この曲は、日立市の寂れた商店街に夕方の光が降り注ぐところを示しています。日立市は人が多く減少してしまい、町がとても綺麗なのに閑散としているのです。自分の中のディストピア感の一部を形成した最も美しい町でしょう。
なぜならば美しさとは退廃を伴う、もしくは退廃そのもののためです。日立市に住んでいる、好きな人のために何でも尽くして、自分の存在意義を確かめようとする人間模様を、猫の視点から観察視点で描いています。それがいけないと言っているのではなく、本気で生きるとはそのような現象にも精一杯向き合うことですので、全くいけないことではありません。
歌詞解説
【煙草が足りなくなったなら】
貴方は街の隅にいる無愛想な仔猫で 落ちていく夕日を眺めているのね
私は貴方のそばに居続けているの 滅びゆく人類を憂いながら…
幼少期は栄えていたのにどんどん寂れてゆく商店街に落ちる夕日と、私は逃げずにここに止まり、この世の終わりまで貴方を見守るという意味
生まれてくることを許されなかった貴方は いつも世界の終わりを感じてるの
錆び付いた瞳をかっと見開いたら そこには光が落ちて琥珀のようで
家庭環境が不安定ゆえに荒んだ心を持った彼は、人を大切にもできないし健康も意識しない。退廃していく世界でそんな状況でも、ただ瞳だけは美しく輝いている(心の奥底には優しい気持ちがあるという意味)
ねえ、煙草が足りなくなったなら 私の話を聞いて欲しい
ニコチンとかタールよりかは 満足させるから
私との会話より、煙草の方が面白いなら、私も努力をして煙草より魅力的になろう
疲れた体は私に任せて預けて 滅びゆく人類を守っていこうね
ねえ調子はどんな感じ私にも教えて今日の晩ご飯は秋刀魚を焼こうか
荒んだ心を持って、大切にはしてくれないけど自分のことを居場所にしてくれている様。自分のことを大切にしてくれなくても、それでも季節の移ろいである無常を体感させるためにサンマを焼き、この世を少しでも楽しんでほしいと願う心
貴方の瞳は美しく 宇宙を創造するのです
私の心は歪みつつ 世界は終わりを求めてる
みんなはダメな人と言うけれど、貴方の瞳が美しいことを私は知っていて、この退廃した世界を崩壊させて新世界を作る力を持っていると感じる。でも私ももうこの世界に疲れてきてしまった。
煙草が足りなくなったなら 私と映画に行って欲しい
ニコチンとかタールよりかは 満足させるから
私も貴方を喜ばすことぐらい出来るから!
それならば、とりあえず今日を楽しむために映画を見に行こう。生きている楽しみを教えることぐらい、私にもできるんだから。
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