曲目解説 ライブ作品《誉》-自己愛と境界例- 総論(最終まとめ)

樂狂蟲(ギルバート慶)のファーストライブとして決行された《誉》は、アマゾンプライムビデオでも配信される、とてもしっかりした物に仕上がりました。

描きたかったテーマは幼児退行からのエントロピーと反エントロピーですので、誰にもわかるようにはできませんでしたが(誰にもわかるようにする必要はありませんが)、テーマにしてはかなり上手く表現できたと思います。実はそういうワードが散りばめられているので、バタイユなどを読んでいる方や現代物理学に異議を感じている方はピンとくるかもしれません。

そもそも音楽は誰にでもわかって楽しめるものという発想があるからつまらなくなるのです。勉強をして難しいことを識ることは本来楽しく、意義があることなのにも関わらずそこが放棄されているのが現代のJPOP界であり、かといってクラシック音楽が難しい概念を含んでいるかといえば、この世界を説明立てる理論を持っておらず、浅い内容のものが非常に多い。つまり勉強をしている人には居場所がなくなっていく図式があるのです。

でもポップスは大衆向けだから良いのでは?という意見もあると思いますが、現代の大衆がこうなっているわけで、昔の大衆は何らかの手段でこの世の構造の理論体系を獲得していました。多くの人が「知性を持っていない」と思われる人たちでも、このようなものは全然所有しているのです。そして戦後のアメリカナイズにより消滅しました。つまりこの意見は無知ゆえに出てくるものであり、間違いです。大衆だから難しいことを理解しなくていいというわけではありません。

この作品は、そんな状態の世に投げかけた、僕なりの革命です。

そもそも幼児退行や精神異常をネガティブな悪いものとして捉える現代日本の主流の精神医学に対しても反対の意見を主張している作品です。幼児退行は確かに現代の社会生活からしたら迷惑な存在であり、境界性人格障害の人(いわゆるボーダー)関わってはいけないとか逃げろとか、治療してると攻撃してくるとか言っている雑魚がいますが、そこが治療のキモであり、この世がうまくいかない原因の一つはそこにあります。僕はここに大きく異議を唱えます。

そんなことをしてしまうから、つまらなくなるのです。思想ペラッペラのやつとか、ペラ曲を作っても何も思わない人とか、もう一度それで良いのか考えた方が良いでしょう。

多くの人が本当に求めている幸福、この世界の構造は精神疾患や幼児退行の奥底までたどり着くと、わかるようになるのです。つまり自己愛と境界例がその入り口であり、精神異常は正解です。

というわけで、とても噛み応えのある作品になっております。和音の動き1つ1つに、この世の構造を盛り込んであります。曲の仕上がりも良いので、是非是非ご覧ください。

 

最後に、この作品制作にご協力いただいた皆様、観てくれている方、本当にありがとうございます。皆様の理解と実力があってこそ、このようなコスト度外視の表現革命活動が成立するので、心から感謝しております。