曲目解説 ライブ作品 ∵穢∵ ネガテヰヴメソツド 【と】をさへきれぬ成

概要

前曲で蝶になり、この曲では神仏となります。タイトルの「をさへきれぬ成」とは日本古来からの思想である「なる」の感覚を意識していて「生きながらにして神仏へと成長していくのを抑えられないよ」と言う意味です。

自分の中に宿った朝顔の霊(たま)の力が勝手に育ち、意図せず叡智が覚醒してしまう「咲キ誇ツテシマフ」現象を表しており、このライブの2番目の盛り上がりポイントとして設計されています。もう完全にアルバムと解説を読んでないと意味不明なライブになっていました。

曲の作り

前の曲からモードを引き継いだまま加速して突入します。基本的には横のリズムを使い、サビだけ縦ノリになって縦ラインであらゆるパートが刻まれます。そもそも横ノリから縦ノリにリズムカウントが変わると、拍がずれることになるのでサビに入る前に空白を置いて作っています。

サビはエネルギーの重みが大事なセクションですので、進行感のあるコードやベースラインを使いつつ、リズムは縦ノリにしてモッサリさせエネルギーの抵抗(進みたいのに進まなくする)を生むことが上手く仕上げるコツです。抵抗さえ上手く作れれば、張り上げたりしなくてもサビとして認識されるので、自由自在に曲を作ることが可能となります。

感想

とは言ったものの、やはりバンドメンバーの感覚が大変鋭く、僕の希望をさらに上回って実現してくれたから完成している演奏です。文章になるとついつい偉そうな発言をしてしまいますが、自分一人では絶対に実現不可能であり、実際は感謝の限りです。

おかげさまで原曲とは全く違うアジワイを持った曲に生まれ変わりました。

やはりライブの楽しみは世阿弥も言ったように「新しいものが次々と出てくる」ことが大切で、毎回新しい試みを入れたり、ライブ用に1から編曲して別の曲にしたりする仕掛けが大事だと思うのです。

自分を愛してくれるファンを、愛し返すように丁寧に、どうしたら楽しくなるかを考えて作っています。樂狂蟲を知らない人やアルバムを聴いていないと理解できない作りにしているのは、既に大切にしてくれる人を大切にしたいからです。ずっと初心者向けでやっていると、ファンをする甲斐が薄れると僕は考えているわけです。

せっかく色々調べて予習していったのに、初級者向けの問題しか出てこなかったら残念だと思うわけです。

この曲も無事、飛翔系を存分に表現して、蝶から神仏になる準備が整いました。神仏になり、やっぱ楽しそうなのでしばらく人間界で遊ぶと言うストーリーです。そのため、次の曲では人間になるため「脱皮」します。

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