曲目解説 アルバム「我が子よ!お前は花のように美しい」❸ひそやかな夜のしじまの中で

歌詞

О, долго буду я, в молчаньи ночи тайной,
Коварный лепет твой, улыбку, взор случайный,
永遠、ひそやかな夜のしじまの中で
君の囁き、ほほ笑みと瞳を

Перстам послушную волос густую прядь
Из мыслей изгонять и снова призывать;
指が流れる綺麗な髪を、豊かな髪のふさを
忘れようとしては、すぐに思い出してしまう

Шептать и поправлять былые выраженья
Речей моих с тобой, исполненных смущенья,
ぎこちなく君と交わした言葉、
闇夜に酔っては理性を押しのけ、

И в опьянении, наперекор уму,
Заветным именем будить ночную тьму.
君の素敵な名前を読んでは、闇夜を呼び起こすんだ!

О, долго буду я, в молчаньи ночи тайной,
Заветным именем будить ночную тьму.
永遠、ひそやかな夜のしじまの中で
君の素敵な名前を読んでは、闇夜を呼び起こすんだ

(曲:ラフマニノフ 詩:フェード 訳:俺)

曲の解説

ラフマニノフ歌曲の中でもかなり上手く作られている曲だと思います。サビ前の展開が歌と絡み合う作りは「聖なる僧院の門の側に」や「孤独」では出てこないので、結構レアな作りをしており、もしかしたら主役が男性であるためにピアノ伴奏の音域と被っており、対位法が組みやすかったのかなーなんて思ったりしてます。

歌唱としては、ラストの声をささやき声にしています。西洋声楽曲だからといって声楽的な発声で歌う必要はなく、自由でいいわけです。ですがこのささやき声、ちょっとキモいですよね。でも、こういう曲だと僕は思っています。

恋愛は、他人から見るとどうでもいい人でも、その人から見ると宝物であり、本人同士の間ではキモいことや通常くさい、汚いことすらも喜びになってしまう空間です。この曲は静かな闇夜に好きな人と一緒に時間を過ごす曲ですので、時間の概念も永遠性を持ち、対象との境界線がとれ同化現象が起こっています。

演奏について

脳がとろけていることを述べている曲なのに、逆にここで冷静に普通に演奏しちゃうのって、かなり違和感があります。一流の演奏家ってそこらへん自由だったりするんですけど、逆に普通の演奏家ほど謎の掟を守ってしまうのかなと思います。なのに一流の人は批判せず、周りの人や生徒だけ批判するのって、明らかにおかしいですよね(笑)

てかアートなのにキモいのがNGなのもおかしいですよね(笑)

僕はそもそもあまり他人と考えが合わないのですが、日本のオペラ業界は合わない度が非常に高く、そもそも本場のオペラとは発声も感覚も独自発達を遂げているし、それに気づいておらず、会話が全く通じなく、苦しくて辞めてしまいました。これは僕が歪んでいるのではなく、それで辞めてる人結構多いと思います(笑)

というわけで、結構いい演奏ですので、お楽しみください〜!

 

 

 

 

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