僕のアスペルガー冒険記㉑人の気持ちがより一層わかる(その1)

今までの僕

アスペルガー症候群の僕は、治療や勉強など、あらゆる工夫を駆使して29年かけて多少は人の気持ちを理解し始め、ごく一部の人とはコミュニケーションが可能となった。

しかし、基本的に自分と同じ障害のある人としかコミュニケーションが取れず、定型発達の人の話や、定型発達の人が作った歌詞などの意味を全く理解できず、当然楽しむこともできなかった。摩訶不思議であった。

定型発達の人の考えや、作品は僕にとって生涯ずっと、謎の存在であった。

不思議な生き物

全く意思の疎通が取れずに、僕にとっては別の生命体のように見えていた。よくアスペルガーは「地球人が宇宙人の街に来ちゃった感じ」というふうに表現されるが、僕も周りが宇宙人に感じていた。

まあ、実はアスペ側が宇宙人であり、別の生物に見えてしまっているのだが・・・。

とにかく、僕の体感としては、別の種族のようにコミュニケーションが取りづらく、人間が大好きだったはずなのに、あまり関わりたいと思わなくなっていた。

摩訶不思議な作品

定型発達の人が作る曲は、言っていることや構成が摩訶不思議であった。おそらく、僕と同等のアスペルガーの人は似たようなことを人生のどこかで感じまくっていると思う。

特に、通常日本語話者が認識できないはずの横ノリ縦ノリなどに気づくのは、僕が見てきた限り殆ど結構なアスペルガーの人であり、気持ちがこもっていることがわからないから音に目がいくのかなとか、ドーパミン過剰なのですぐ過集中に入るからかなとか、色々考えていた。

アスペルガーからすると、アスペルガーが作った曲を好む傾向があり、作りが違うので1発でわかるという。

しかし、転機が訪れた

再び人の気持ちを理解したいと思う

人の気持ちを理解することを諦めていた僕は、なるべく社会と関わらずに、自分と似た人とだけ関わるように設計し、ユートピアを形成していた。しかし、人生とは色々なことが起こるものであり、こんなに快適に設計しても、またそれは動く。

僕はどうしても人の気持ちがわからず、人を傷つけてしまうことがあり、罵倒や中傷などは全くしないのだが、優しくしようとせずハッキリと物事を伝えてしまう。

しかしこれで良いと思っていて、優しくしては人間がダメになるから、苦しみながら這い上がるべきだと思っていたのだが、それでうまくいく人は少ないようである。

続く

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