曲目解説 映像作品 `未発達 – undevelopment` ❺HYACINTHUS

概要

ここからライブは「狂乱の場」のシーンに移行していきます。口紅を乱雑に塗りたくってピエロのようになった女は、ずっと待っている相手への怒りが爆発し、怒っているような、でもどこかスッキリするような口調で歌います。意識のトランス性をさらに深めていきます。

この狂乱の場所から、ライブのコンセプトともなっている曲「PINE」に接続されていきます。そもそも恋愛においての相手への怒りというのは、相手へ怒っているというよりも過去の親に抱いていた怒りが爆発する現象であり、これは幼児期の親の未回収な感情=恋愛の初期に起こる感情であることから起こります。

演奏について

僕の曲は使われる場所によって意味合いが変わるように作られています。これは抽象的な表現を多くすることにより可能になり、言語自体に意味があるのではなく、場面の中で意味が調整されて出現するという仕組みですので、このような機能を持たせて使用しています。

そのため、この曲は元々は遺伝子やDNA、バタイユのエロティシズムをテーマにした曲でしたが、今回のライブでは歌詞は怒りを表現しているような意味になるように演奏しています。

具体的には、トランスを深め、怒るような口調、つまりは歌うのではなく怒鳴る、愚痴るような歌唱法となっており、間奏も即興で無秩序なものを使っています。ここで上手く綺麗に歌ってしまえば台無しになりますので、こだわったポイントです。曲の最後では男声オペラっぽい歌唱となっており、ジェンダーが混合している様子を示しています。

曲について

曲の構成は、原曲ヒヤシンスのように優雅な感じではなく、できるだけボコボコに仕上げました。予期せぬところでベースの無秩序なフレーズが入ってきたり、ギターが空白になったりなど見ている人が飽きないような、注目を引くような作りを意識しました。メロディックな作りではなく、ボス戦の曲のような不穏な感じに仕上げました。

歌唱法がボコボコしたような、怒りの発露を表現するので、オケが美しく、メロディックにならないように徹底しました。演奏もめちゃくちゃ難しかったはずで、毎回難しい曲を作るたびに「弾けるかな???ワクワク」って思っているのですが、メンバーが優秀だったので余裕でやってくれました。

この曲は、ライブの中でも大きな見せ場となっており、導入の方法もタイミングも非常に上手くキマっているので、楽しんでいただけると思います。^^