《ライブ概要》不浄の民のみぞ識る特権
→被差別民、病人、罪人障害者など、忌まわしいとされる存在が瞑想によって宇宙の真理に触れ、解脱する。現世は我らの魂に用意された遊び空間であり、遊ぶ為に、しばらく留まる。これを、繭→蛹→蝶→霊→神仏へと変態する蟲の活動で表現する。蔑まれた者のみ識るこの方法が、副題の《ネガテヰブメソツド》である。
このライブ映像作品は、下北沢DaisyBarにて実演された「∵穢∵ ネガテヰヴメソツド」を映像作品としてリリースしているものです。ごく一部の音楽マニア界隈の中で爆発的話題となった今作ですが、解説していきます。
ストーリー
このライブはストーリー構成となっており、いつものように映画のようにお楽しみいただけます。まず、冒頭で「いろはにほへと、、」と詠むのは昔、罪もなく捕られた罪人であり、獄中でこの曲を作ったという伝説を元に制作されています。
罪なく殺された者の魂が現代に転生して、政府側に復讐をしにいくというストーリーとなっており、曲目は
繭 い 態
繭 ろ 雇蚕
蛹 は 夜香蘭
蛹 に 不生不滅
蛹 ほ 虚ろの一刻
蝶 へ とこしへの國
蝶 と をさへきれぬ成
霊 X 最深世界ヲトコ達
霊 Y リンネ転生、アア樂
神 Z 亜空・転生・超・余裕
となっており、輪廻転生をテーマにし、虫の成長と霊体や神も経由して展開されていきます。
『雇はれ蚕Ω』の最終曲「万物を愛するために」からの継続ルートであり、普通のおじさんであった「ふしだ・ラ・翁」が意識せずとも絶望により能力が内側から湧き上がって自由自在に現世を生きてしまい「咲キ誇ツテシマフ私」になってしまう現象を描いています。つまり両性を獲得し神になってゆくジェンダー転換です。
一曲目「態」の解説
この現世に転生してきたことを、冒頭の顔を包み込む「繭」の姿勢で表現しています。繭から登場して「今会いにいきます、その朱ひ召し姿」と言っていますが、これは昔の政府の服装をまだ今も追いかけていることを示しています。既に力を手にしているので意気揚々としています。そう、今までの鬱っぽいライブではなく、万能感を持っている状態からのスタートです。
曲自体は、都節モードで作られ、途中から縦ノリに構成が転換します。縦ノリと横ノリのリズムが切り替わる曲は世界的にも少なく、日本でこういった作りができる人は見たことがないので、僕くらいかと思います。そもそも普通の精神状態の聴覚だとリズムとカウントが変わっていることを認識することができないので、それだと作曲もできなくなります。聴いて認識するだけならば、ごく稀にいます。
対象と自己が同化した上で、時間の間隔が停止し、その上で共感覚により音の一つ一つが止まって視える状態までいくと可能です。
このように、作曲行為は「アートだからレベルなどない」と言われてしまいますが、そんなことは全くありません。間違いです。不学・不修行により、認識がうまくできないだけで、実際はかなりの広がりがあるものなのです。
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